24年6月、アメリカの高校に通う16歳の日本人男子高校生がPCBボランティアの戸を叩いた。日米両国の文化に触れ、未成年者でもある彼は「親権」について何を思っているのか。PCBが聞いてみた。

簡単な自己紹介とPCB参画の背景をお聞かせいただけますか

アメリカの高校に通う16歳の日本人男子高校生|JUN君

僕は現在アメリカの高校に通う16歳の日本人男子高校生です。

高校からアメリカの学校に通うようになり、色んな国の色んな背景を持った人々と出会い、その違いに驚きの毎日だったのですが、どの国のどんな人であろうと必ず誰しもが共通して持っている価値観があることに気づき、それが身近な人達との「愛」であったことを知りました。

言葉が違っても肌の色が違っても、どの国のどんな人でも、自分の親や子供・ペットを心から愛していて、家族の絆・親子の絆が人類共通の本質なのだと知りました。また、現在同じ寮で住んでいる友人達の間でも、両親の離婚を経験した友人がいたり、国をまたいで親と離れ離れになって寂しそうにしている友人がいて、その友人らの話を聞き、「子供の正常な発育には両親からの愛情が不可欠である」ということを改めて強く感じてきました。

アメリカの高校の友人達と

そこで、学生の僕でもこうした問題に苦しんでいる人々の力になれることはないかと思い、ボランティアの情報を調べていたところ、PCBの記事を見つけ、応募させていただきました。

ボランティア活動にはどういうイメージをお持ちでしたか?

日本とアメリカの「ボランティア」に対する認識の違いがある。

そもそもですが、日本でいう「ボランティア」とアメリカでいう「ボランティア」のイメージはだいぶ違うものであると認識しています。

日本ではまだまだボランティアというと、社会奉仕の活動、地域のゴミ拾いや掃除など、あまり誰もやりたがらないことをやる活動、といったイメージがありますが、アメリカでは少し違うイメージで受け止められています。

ボランティアは自分の手で自分達の社会を作り上げていくための活動であり、社会の一員である自分が当然のようにして行う活動であると考えられています。その中でも特に、NPOやNGOは社会の基礎部分を制度的・実践的な面から作り上げていく為の必要不可欠な存在であり、ターゲットが本当に必要とするものや課題をニーズに沿って解決していく為の組織として考えられています。

僕はそうしたアメリカの文化に触れ、自分も自分が実現させたい社会を自分自身の手で作り上げていきたいと考え、PCBの皆さんと共に海外で多くの子供達の笑顔の支えとなっている共同親権社会の実現に取り組もうと考えました。

アメリカの多様な文化に触れる日々

未成年者の立場から「親権」のあり方について何か思うことはありますか?

親権は「親の権利」ではなく、「子供権利」

大人の立場からすると親権という言葉は離婚の時まで意識されないものかもしれませんが、未成年者、特に僕より低い年齢の子供達の立場からすると、親権は夫婦が結婚する段階で既に話し合いを終えておくべきもの、もしくは、夫婦が「共に子供に愛情を注ぐ」という共通の視点に立って、生まれてくる子供を迎えてあげる為の必要な準備といったものではないかと思います。

実際、海外では親権に限らず離婚後の財産分配まで結婚する段階で決めておき、互いの弁護士を通じて契約書を交わすといったことが行われており、もちろん、その中には生まれてきた子供の養育、費用はどちらが何割負担するといったものも含まれています。これは離婚後の子供の養育がどちらか一方に押し付けられたり、無理矢理連れ去られたりするといったことの抑止にも繋がる素晴らしいものだと思いますし、離婚の時に既に子供が精神的にも十分成長していると裁判所が判断を下した場合には、DVなど一方的な関係があるケースを除き、子供の意見が最大限尊重され、多くの場合、子供自身が共同親権の形を選んでいます。

つまり、「親権」は「親の権利」ではなく、「子供が離婚後の親子関係を自分で選ぶ権利」であって、それが本来の「親権」のあり方なのではないでしょうか。

なるほど。
そのような子供側の視点、未成年者ならではの視点を活かしたうえで、今後どのような形でPCBの活動に関与していきたいとお考えですか?

世界に現場の声を伝えていく

一言でまとめると世界に現場の声を伝えていく、発信していくことが僕のできることなのではないかと考えています。

やはり、学生という一人の個人、未成年者が、政策や法律というのを変えるのは難しいですし、それは投票権のある大人の皆さまが決めることだと思っています。ですが、その大人の皆さまの意見や考え方を変えていく、常識を新しくしていくというのは、やはり僕たち学生や若者ができることであり、役割でもあると考えます。

SNSや様々なプラットフォームが発展し、どの年代の方もそれを使っている昨今において、インターネットを用いた情報発信などは世間的には発言力が低い個人でも容易に始めることができる便利なツールかと思います。その反面、不正確な情報、誤った情報も出回っていることも事実です。

その中で実際のデータや声をインタビュー動画であったり記事であったり、何かしらの形で発信し、大人たちの声にかき消されがちな子供達の声を、大人の方々や実際の政治に取り組んで頂いている方々に拾ってもらえるように、PCBで活動を行っていきたいですね。

最年少港区議員新藤かな議員との対談後に

ありがとうございます。これからもPCBで子供達の声を世界に届ける活動に力を貸して下さい。本日は貴重なお時間ありがとうございました。

こちらこそよろしくお願いします。本日はありがとうございました。

最後に

NPO法人親子の絆forJAPANでは、高校生から主婦の方まで様々な方がボランティアスタッフとして活動してくださっています。一緒に活動してくださる仲間を求めています。少しでも検討してみようかなというお気持ちをいただけましたら幸いです。

お気軽に問い合わせフォームよりご連絡いただけますと幸いです。